第四回ミニ四駆選手権全国大会IN菊川 参戦記

writing by FUJITA  

 
 
 菊川の戦(1) N氏 VS O氏 横やり FUJITA (記)FUJITA

8時すぎ、会場駐車場。
  私(FUJITA)は、大会運営スタッフとご挨拶。
  会場の開場待ち。
  N氏とも挨拶。しかし、今日は精神戦始まらず。
9時まで、施設には入れたが、会場の外で待たされる。
  精神戦が始まらない。私は、大会準備の会話中心。
11時まで、大会会場の設営やいろんな準備。
  N氏が練習走行。
  F:「どないですか」
  N:「全然飛べへんから、スラスト減らしてんねー」
  練習走行のスピードは、まあまあ。LC無事クリア。
  うーん。あれなら、32秒フラットくらいかな。
  F:「いけますやん」
  N:「こんなスラストやでー」と見せられる。
  確かに、少ないけど。
  いつもなら、ここにO氏がいる筈なのに、・・・。
  私は、練習走行する暇もなし。
  皆が飛ばないから、きっと、私も飛ばないだろう。
  そもそも、電池を充電中だ。
11時15分、予選開始。
  大会運営の都合で、後からトライすることにした。
  O氏もN氏もまだ。
  トップタイムが33秒6xと出ているが、32秒台が出ない。
  F:「何か遅いねー」
  O:「どれくらいがでるんやろー」
  F:「32秒台は絶対出る筈やけど」(内心32秒前半)
  ほとんど、COなし。
11時40分すぎ、1回目のトライ
  えらく長い待ち行列に並ぶ。
  1回目だから、結果として遅いタイムの方がいい。
  20名:15分程度は並んでいたか。
  気がついたら、私の二人あとにO氏が並んでいる。
  うだうだいいながら、時間つぶし。
  やっと、私の番が来た。 狙いは、32秒後半。
  何か、遅いぞ。
  33秒27。 暫定トップタイム。
  O氏の一回目。
  33秒03。 暫定トップタイム。
  今日は、私の予想よりタイムが出ないのか?
  ちょっと、間が空いて、N氏のトライ。
  速い。
  32秒38。暫定トップ。
  これで、取りあえず目標ができた。
  でも、差がありすぎる。どうするか。
  スラスト減らそう。
12時20分ころ、喫煙場所で。
  F:「予選どうするん」
  O:「パスしようかな。決勝には行けるやろ。」
  F:「僕は、スラスト調整でもしてみるわ」
  O:「今回のコースは、Fさん向きじゃないからね。
     もっと、LCが難しかったら、Fさん向きだけど。」
  F:「そうそう、今日はダメだね。」
12時40分ころ、2回目のトライ。
  狙いは、32秒38やぶり。
  スラスト減らしだけやった。
  電池は、A級を投入。
  確かに速いが、ちょっと、不安がよぎった。
  LCで、コースアウト。それも、飛んでる。
  無念。
  N氏の2回目のトライ。
  メチャクチャ速い。
  これは、飛ぶなと思ったが、無事クリア。
  31秒72。暫定トップタイムを自身で更新。
  F:「どないしたん。電池?」
  N:「1回目に記録も出たから、スラストさらに減らしたんよ」
  F:「えー。僕も同じ事やって失敗したけど」
  うーん。流れが悪い。あのタイムは、私は出せない。
  O氏と二人で、どうやって、N氏にプレッシャーをかけられるか。
  こういう状況では、共同戦線だ。
  O氏は、2回目パス。
  私の順位は、6番。
  ポジションはいいが、タイムが悪い。
     
   
  画像コメント 記 くのいち
(TVでいえばCM:上位入賞のマシンを貼り付けてみました)

準優勝のFUJITAさんのVS
大会前にSXマシンが不調、急遽作り上げたそうです。サイド補強のFRPがそのままフロントステーまで一体化しています。
 
 
13時5分 中間休み
 記録発表などして、休みが終了。
13時15分 予選3回目が開始。
  F:「流れが悪いねー。Nさん向けの流れだ。」
  O:「決勝で、どれだけ、二人でプレッシャーをかけれるかだよ」
  F:「でも、あのタイム出されて、飛ばなかったら、どうしようも
     ないよ。」
  私は、完全にスラストを元に戻す。フロントのネジをチェック。
  少し、ゆるみも発見。これが原因かも知れないが、トライができない
  ので、原因不明の遅さのまま3回目のトライ。
  ゆっくり、マシンチェックするほど、時間がない。
  (これだから、スタッフは損よ。とほほ)
13時40分ころ 3回目のトライ。
  1回目と同じように、速くない。
  逆に、これなら、LCは安心。
  32秒95。少し速いタイムが出たが、
  何か遅い原因がある筈。
  決勝までに、ギヤまわりだけでも、チェックしよう。
  O氏も今度は、トライ。
  速い。が、LCで惜しいコースアウト。
  F:「今の惜しかったねー。入ってたよ。」
  O:「入ってからバウンドしたからね。」
  F:「で、どうしたん」
  O:「スラスト減らした。」
  F:「僕の2回目と同じだー。二人が飛んで、Nさんだけ
     OKだから、こりゃ、流れが悪すぎ。」
  そのN氏、今回も速い。
  32秒12。記録更新はならなかったが、
  誰も出していない領域を連発。
  後は、Nさん不得手の決勝の電池頼み。
14時 予選終了。
  私は、3位通過。
  ポジションは問題ではない。プレッシャーがかけられるか。
  記録発表などして、おにぎりをパクツク。
  マシンをばらしてビックリ。
  クラウンギヤにバリが出てる。
  プロペラシャフトのピニオンが伸びている。
  なってこったい。
  プロペラだけ、修復。
  N氏と会話。
  F:「今日は、Nさん向きの展開ですねー。
     Oさんもスラスト減らして飛ぶし。
     後は、電池で、失速してもらわんとダメやけど、
     それ以上の差だからねー。」
  N:「電池は、大会用電池を今充電してるところだからね。」
  (ダメダ。この作戦を取られると、電池も問題ない。)
  F:「慣らしは、どうしたん。」
  N:「新品から3回、充放電して、こないだ、1回使った奴。」
  (ダメダ。隙なし。ベスト電池。)
  O氏が先に決勝のトライだから、何か仕掛けてくるはず。
  でも、今日は、N氏で決まり。
 
     
     
  三位の西村さんのマシンS1.
前回の大会ではモーターカバーが外れるというトラブル、今回は改善されボディは撮影を意識したいっちょうらのボディにてレースに挑む。
このマシンの補強はフロント、サイド、リアにかけて一体化しています。(くの)
 
 
14時20分 決勝1回目
 時間を見て、最終の追い充電を開始。
 クラウンギヤの問題を持っているが、替えると大失敗するかも
 しれないので、そのまま。プロペラの修復と、電池の加減で、
 少しは、良くなる筈。
 Oさんがトライ。
 なかなか高速。1周目32秒54、やるー。
        2周目32秒88。
        トータル65秒42で、暫定1位。
 車検で、車検マンに、こんなギヤでいいんですかと聞かれる。
 「判っているけど、仕方ないんです」と説明。
 カッコ悪。
 32秒5x位出て欲しいと願いながら、トライ。
 でも、なんか速く感じない。
 1周目、32秒59、ほっとした。
 2周目、32秒93、トータル65秒52で、暫定2位。
  原因は、はっきりしてる。クラウンギヤだ。
 今回のコースは、カーブが多く、電池もさすがにたれる。
  0.34秒遅くなっている。仕方ない。
 さあ、Nさんの番。
 二人のタイムでは、プレッシャーはかけられない。
 やはり、速い。
 ところが、ここで意外なことが起こった。
 LCで、コースアウト。
 予選でも、一度もコースアウトがなかったので、意外だ。
 
 本人も、意外な筈だ。
 絶対に、困ったことになる筈だ。
 N氏の性格なら、ここは、スラストを増やす筈。
 どこまで、増やすか。予選1回目くらいか、さらにか。
 コースアウトした原因も絶対に断定できない状況での
 セッティングだから、スラストを増やしすぎることも
 ありうる。
 展開が一転した。
 もう、有言の精神戦は、できる状態ではない。
 お互い、会話しない。
 私は、記録発表した後、ギヤ交換を決断。
 
 
     
     
  優勝の小椋さんのVS、綺麗に加工されたタイヤ、無駄の無いセッティング、ボディもいつも綺麗です。
なんと、サイド補強も無いシンプルなマシンでした。   (くの)
 
 
 15時 決勝2回目開始
 私は、ギヤを作っている。こんな事して、どうなるのか。
 予備パーツくらい用意しておけばいいのに、それもなく、
 新品ギヤの背面を削っている。
 (今考えれば、他のVSマシンから取り替えれば良かったのだが、
  現場では、ろくなことを考えない。)
 装着してみるが、これならとは言えない。
 3分だけ廻してみたが、負荷が足りない。
 時間も足りないし。ここまで。
 
 N氏は、悩んでいる。近寄りがたい雰囲気。
 
 O氏の2回目。
 今度も速い。1周目32秒36。2周目32秒79。
 トータル65秒15。
 きっと、追い充電が嵌まったな。
 
 私のマシンには、戦闘能力はない。
 一応、電池の追い充電の様子を見ながら、最終トライ。
 やっぱり遅い。こりゃだめだ。
 1周目32秒88、2周目33秒24。
 
 N氏の2回目。
 どこまで、押さえるか、どうか。
 最終トライ。
 走り始めて、すぐに結果が判った。遅い。
 1周目 32秒84。O氏の優勝が決まった。
 2周目 33秒18。トータル66秒02
 
 O氏と握手。
 でも、二人とも、N氏が最速であることを一番良く知っているのです。
 
 さりげない、会話。
  F:「おめでとう。
     決勝のスラストはどうしたん。」
  O:「1回目と3回目のちょうど中間にした。」
 
   このあたりの冷静さに、本当に強さを見た。
   マシンの速さは、これまでも、脱帽ものだったけど、
   運が向かず、これまで優勝できてなかったから、
   本当に良かった。
 
 神様のいたずらで、こんな結果になりました。
 次は、どんなドラマがあるんでしょうか。
 
 また、楽しい精神戦をしたいものです。
  
  (完)
 
     
    
 

インタビューを受ける入賞者3人
おめでとうございます。